今朝の朝刊に載っていた記事より転載します。
待機児童、首都圏で急増 94市区調査、共働き影響
認可保育園に申し込んでも入れない待機児童が4月1日時点で、県庁所在市や東京23区など94市区で計1万4478人いることが、朝日新聞社の集計でわかった。首都圏で急増しており、前年比で3割程度増えている。景気悪化で働き始める専業主婦が増えているのが影響しているようだ。
6月に県庁所在市、政令指定市、中核市と東京23区の計94市区を対象に待機児童数を調べた。最も多かったのが横浜市で1290人(前年比82%増)、次いで川崎市713人(22%増)、仙台市620人(16%減)。名古屋市約600人(40%増)、福岡市473人(56%増)などで、東京23区は4613人(53%増)だった。
厚生労働省と東京都が公表した昨年4月1日現在の政令指定市、中核市、東京23区の計79市区の待機児童数は1万303人で、今年は1万3707人と33%増えている。
厚労省は待機児童解消のため、園児1人当たりの面積などの基準が満たされていれば定員を超えて受け入れることを認めている。今回の調査対象の自治体の多くが定員超過しており、超過率(5月時点)1割以上が10自治体。大阪府高槻市は14%、兵庫県西宮市と北海道旭川市が12%など。
個別の園ごとにみると、「詰め込み」状態もあった。福島市や宇都宮市では25%超の園があった。高槻市や大分市の園は、1歳児クラスで定員の倍を受け入れたところも。待機児童は年度末にかけて増える傾向にあり、08年度末時点で、超過率が福島市で52%、北九州市で53%という園があった。
少子化で乳幼児人口は減少傾向だが、共働き世帯の増加で保育園の利用者数は5年間で約10万人増えている。待機児童が多い自治体は、将来の保育需要を予測して保育園の整備計画を作る。しかし、用地や、運営する事業者を探すのに時間がかかり、新設はなかなか進まないのが実情だ。
昨年度新設された認可園は39自治体で113園。横浜市は18カ所新設するなどして定員枠を1300人分増やしたが、予測を上回る申し込みがあり、過去最高の待機児童数に。市子育て支援課は「景気悪化で働きに出る人が増えているほか、マンション建設で子育て世帯が流入してきたなど複合的な理由が考えられる」という。
(森川敬子、前田育穂、佐々波幸子)
転載元 : アサヒコム 2009年6月29日
ちなみに、上の記事には新聞紙面では続きがあります。以下に一部抜粋して転載します。
定員超過率が高い大阪府高槻市。同市によると、公立園の1歳児クラスの定員8人に対して16人受け入れているところもある。その円の場合、乳児室としての国の最低基準の面積はクリアしており、市の担当者は「ぎりぎりのところで弾力化している」という。保育士は、アルバイトを雇ってしのいでいる。
待機児童解消のため、定員を超過した園の中には、事実上保育室が最低基準以下となっている例もある。
神戸市保育運動連絡会によると、ある公立園の1歳児の保育室は書類上は面積基準を満たしているが、おもちゃ置き場やトイレへの通路を除くと、実際に使えるスペースは基準の7割しかない。
ここ1、2年、受け入れ数を増やすため、物置や廊下を改修して保育室を広げ多くの園でホールを保育室に転用。ある園では廊下とベランダを改修して4歳児の保育室に使っているが、必要な面積が約13平方メートル足りなかった。別の園でも保育士が面積を測ると、基準を約8平方メートル下回る保育室があったという。市は「保育士の計測は正式な測量と違う。ホールの面積を入れれば基準は満たしているはず」と言う。
国の最低基準では従事は1人当たり1.65平方メートル(畳1枚程度)以上の乳児室、または3.3平方メートル以上のほふく室(ハイハイをする部屋)が必要と定めているが、神戸市は1歳児室の面積を伝統的に1.65平方メートルと解釈。厚生労働省保育課は「ハイハイ中の1歳児がいるのにほふく室がなく、全員1.65平方メートルで計算しているとすれば基準違反だ」と話している。
我々が居住している地域は
定員超過率 1 割以上
に該当しています。。。確かに、最近、マンションが次から次へと建ってますもんね。
しかし、少子化だと声高に叫ばれていますが、保育園の待機児童問題は解消する方向には向かっていませんね。また、見た目上は認可保育園として運営されているところでも、神戸市の例のように完全な基準違反をしている園は他にもあるかもしれません。
定員超過状態の園では、保育士一人が見る乳幼児の数が増えます。すると、当然、細かいところまで目が届かなくなります。保育に必要な園の面積も少なくなり、ハード・ソフト両面で
保育の質が低下します!!
難しいところですね。